カワラバトとの会話

 ある日の午後、自宅から少し離れた公園のベンチに座って何気なく池の中の石の上でじっとしている亀を見ていると、突然どこからかやってきた4羽の鳩が僕から見て右の方10mくらいの距離の通路に降り立ち、ゆっくりと僕の方に向かって歩いてきた。僕は彼らの様子をじっと観察していたが、彼らは僕を全く警戒する様子もなく、全員で一歩一歩距離をつめてきた。1mくらいまで近づくと、先頭にいた鳩が僕に語りかけた。

 「お前さんかい?鳩の綺麗な写真を撮りたいって言っていたのは?」僕は驚いて目を見開く。

 「別に驚くことはないさ。キジバト太郎に聞いたんだ。ほら、前に電線に止まっていたところをお前さんが撮影したキジバトさ。お前さんが、キジバトの美しい姿を撮りたがっているのを聞いて、俺たちだって結構綺麗だってところを見せたくてここに来たってわけさ。ずいぶん探したんだぜ」

「あ、あ、ありがとうございます。カワラバトさんて、口がきけるんですね」

 「当たり前だろう。オイラを誰だと思っているんだ。ほら、俺たちもそんなに暇じゃないんだ。さっさととりな」その鳩はポーズをとるためじっとしてくれたようで、僕は、慌ててカメラを取り出しシャッターを切る。

 「どうだい、うまく撮れたかい?」

 「な、なんとか。」

 「それはよかった。あんたのblogにアップしてくれよ」

 「わかりました。今日は本当にありがとうございました。」

 「礼には及ばんよ」と言って鳩たちは颯爽と飛び去っていった。半分くらい本当の話。

近づいてくるカワラバト達(公園にて撮影)

語りかけてくるカワラバト(公園にて撮影)

ポーズをとるカワラバト(公園にて撮影)

公園にて撮影